【京都】青龍・八坂神社

明治の時代~今日を経て近い未来

令和2年(2020年)10月11日
友吉鶴心

薩摩琵琶とシルクロード

琵琶は平家琵琶とか楽琵琶とか、近代においては盲僧琵琶とかありますが、全部桑の木で作ている楽器は薩摩琵琶だけでございます。

琵琶の長い歴史を見ますと、薩摩琵琶というのはそんなに古いものではございません。今日弾かせてもらっている楽器も江戸の終わりから明治の初めごろに造られた楽器でございます。ですので、正倉院の琵琶のような千年以上昔の楽器ではないのですが、なぜかこの薩摩琵琶は、鹿児島で生まれた琵琶が桑と絹というペアになっているわけであります。なので、シルクロードに一番近い琵琶は、勝手に私はこの薩摩琵琶ではないかなと思ております。

芸能の根源としての鎮魂

私は芸能の根源は全て鎮魂にあると考えております。

鎮魂しなければ何も始まらないというのが秋津島大和の国の根源にもなるようなことだと思っております。

歌舞音曲をやて「どうぞあなたは安らかに平けくな てください」と。そして「あなたがいたから私が勝てたんです」と。これは非常に素晴らしい考えですね。「私が勝てたからあなた負けたんですよ」じないんですね。

これはとても日本人の根本的な考えだと思うんです。そういうものの考え方が、大変私たちの私生活には薄くなてしまている今日この頃でございますので、是非様々なことを思いつくたびに、そんなことを思い出していただけたら幸いだなと、私も常に思って生活をしている次第であります。

芸能における仮面

被る面と付ける面という感覚が芸能の中では大きな二分されるところであります。

では、日本で一番古いお面はどこにあるのか ていうと、なんと古墳時代の鍬。箸墓古墳のあたりから出てきている農工具が面じなかたのかという学者もいるくらい。多分、縄文時代には仮面をかけていたんではないかという推測が取られています。

被るということは変身するということなんですね。何か演じるために何かするんではなくて、変化するために被るんです。時間と手間をかけた何十万円もするスーツを着るのと気分がちょっと変わたりしますね。

仮面もそうです。普通の人間なのに、仮面を被ることによ て獅子になたり、仮面を被ることによて男なのに女になたり、猿にな たり。様々な変化というものが面を被る、付けるということであります。

正倉院の御物がの中にもマスクはあったんですね。ですから、全く被るものが日本の面の発祥であるともいえないし、お面を付けることが発祥であったともいえないのであります。

翁のスピリッツ

白い翁と黒い翁があります。今、翁は一人しか出てこないですが、昔の絵図を見ますと、田植えをしている横で白い翁さんと黒い翁さんが一緒に舞っています。

それはなぜかと申しますと、この明治に繋がるんですね。明治時代というのは大変に良くも悪くも新しい時代を巻き起こした時代だと私は思ています。今まであったすべての流れを新しく改めたんですね。改めて良く改まったものもあるし、捨ててしまったものも実はあるんです。

例えば雅楽は分かり易く、みんな共通にしようということで明治時代に編集して、今宮内庁式部職楽部が伝えて下さています。時代によて芸能も様々に変わていくということであります。

ですので、私たちが知っている翁というのも、明治時代以前のものとそれ以降のものと変わっているかもしれませんが、根本的なスピリ ツは変わ ていない。即ち、仮面をつける、変化する、再生する、神が宿る、ということです。


八坂神社(やさかじんじゃ)

京都市東山区祇園町北側にある神社。全国にある八坂神社や祇園信仰の総本社。
平安京遷都(794年)以前より鎮座する古社で、主祭神の素戔嗚尊(すさのをのみこと)はあらゆる災いを祓う神様として信仰されている。通称として祇園さんや八坂さんとも呼ばれる。境内には国宝の本殿のほか、29棟の建造物が重要文化財に指定され、建築様式の歴史的価値も高い。

八坂神社は全国にある祇園社の総本社で、京都市東山区にあります。祇園さんと親しまれてきた八坂神社には、素戔嗚尊(すさのおのみこと)や縁結びや美の神様などが祀られて…
www.yasaka-jinja.or.jp

登壇者プロフィール

野村明義(のむらあきよし)

八坂神社禰宜・・・

友吉鶴心(ともよしかくしん)

琵琶奏者、NHK大河ドラマ芸能考証・指導。
薩摩琵琶を鶴田錦史に師事。祖父の名跡を世襲。文部大臣賞、 NHK会長賞等受賞。文化庁、国立劇場、NHKなど国内外で活躍中。また、日本文化芸能の普及の一環としてNHK大河ドラマ、スペシャルドラマをはじめ数多くの番組の芸能考証・指導を十年以上務め、NHKラジオのレギュラーも務める。