国風の時代~柳営の時代
令和2年(2020年)9月27日
野村明義、友吉鶴心
平家物語と祇園精舎

沙羅の木と祇園精舎というものと、関わりがあるのでしょうか。

はい。実際の祇園精舎は、インドのコサラ国と言って北の方、ネパールに近いところにございます。祇園精舎には当時、梵鐘がなかったわけです。この平家物語が作られた時代に当社は祇園社、祇園精舎とも言われており、梵鐘もございました。それとあわせて沙羅双樹の花の色、という。この沙羅という植物は、仏教では生命の木、命の木とも言いますけども、再生といた意味を込めた特別な樹木として、釈迦が入滅した場にあったと言われておりますね。また、キリスト教でも生命の木というのはあります。これは旧約聖書創世記でエデンの園の真ん中に木を植えられたという。そういう信仰的な意味で、キリスト教も仏教も、両者とも繋が てると思われます。
翁と変化神

祇園祭が始まった869年、清和天皇に疫病を何とか鎮めてほしいと頼まれた卜部平麻呂は、神泉苑に六十六本の矛を立てたということが、記録にあります。この六十六についてお話ししますと、推古天皇の時代に疫病飢饉が流行たそうです。それを鎮めるために、聖徳太子が六十六の面をお作りになられて、秦河勝という方に与えて舞を舞わせた、ということが世阿弥が『風姿花伝』に書かれてますね。六十六曲舞っていると時間が非常に長いので、式三番というものにまとめ上げたと。その中の一つが翁だっていうことになったんですね。翁っていうのは最初は素能で舞っておられて、途中で面を着けられて。

やぱり、面を着けて神になられる。

普段は神話に出てくる出雲の神のスサノオもいろんな神様に変身します。その一つが牛頭天王という疫神です。疫神にならないと疫病を鎮められないので。神様はそういうエネルギーがぱっぱり必要なんですね。他には閻魔大王とか、冥府の神としての泰山府君だとかですね。また、薬師如来はスサノオノミコトの本地仏です。

変化する神様。神様多しと言えども、スサノオさまは殊に変化する。

殊に変化して、高天原にも行き、地上の出雲にも降り、そして最後には根の国に鎮まるという、そういう三つの世界を渡り歩く神様。そういう神様はあまりいらしいませんしね。いろんな強いエネルギを持 ていら し る神様。要するに強すぎたんですね。

変化神ですね。変化する神様。翁も変化しますね。
秦氏とは誰か

長岡京から桓武天皇が移って来るわけですけど、四神相応の地としてここ平安京選ばれたわけでありまして。そこに秦氏と言われる種族が先に住み着いておたわけですね。内裏を決めたところは秦河勝の邸宅だたということが言われてますので、秦氏が桓武天皇に「こちらで都を使ってください」と提供したんだと思うんですね。秦氏が祀ておた太秦の大酒神社のご祭神は秦の始皇帝であります。翁は秦の始皇帝という伝説もありますけども。この秦という語源なんですけども、韓国語で海をパタと言う。またハタハタというお魚をご存じですか。

はい。ありますね。

ハタハタを漢字で書くと、魚へんに神と書くんです。これ一つだけじゃなくて、魚へんに雷とも書くんです。雷魚とも言うんです。ですからそのハタハタを私は秦氏が名付けた象徴のお魚だと思うんですよ。神の魚ですからね。だからその秦というのは、魚に私は非常に繋がりがあるとは思いまして。空海さんは本名佐伯眞魚とおしいますね。

眞の魚ですね。

真の魚でしょ。真の秦氏、というように私は解釈するんですけどね。
