琵琶の道とシルクロード
令和2年(2020年)12月5日
友吉鶴心
琵琶の日本伝来
琵琶はどうやて日本にやてきたかということですが、正倉院の御物の中に五弦螺鈿琵琶という聖武天皇に献上された大変美しい琵琶があります。
一番考えられることは遣唐使や遣隋使が船で運んだ。それから色々な琵琶が開発されたのではないかと言われます。
しかし、鹿児島では常楽院というお寺が琵琶の発祥の地と言われております。そこでは南の海から船で琵琶が渡ってきたとされております。もしかすると、東南アジアに伝わた琵琶が日本にやてきたのではないかという仮説が立てられなくもないわけであります。
シルクロードでの琵琶の変遷
私は、弦楽器は全て同類、ギタも琵琶だと考えています。上から弾いて下から掬うものは、私はすべてピーパー、琵琶だと思います。
トルコのリュートは日本の盲僧琵琶とそっくりな形をしています。アラビアのウードもかなり琵琶の形に似ていますね。このウードが何をもって琵琶の形に似ているかといいますと、左右にまん丸の穴が開いております。琵琶で大切なのはこの左右に付いている月なんです。日本の琵琶は全部この月が付いているんです。ササン朝ペルシャ 、いわゆる中東ですと、月や星を崇拝する国が多ございますので、大体琵琶に月が付きます。
そして、カザフスタンのドンブラが次にとても大切なキーポイントになります。
ドンブラとモンゴルの馬頭琴の間に山のようにドンブラが変形した琵琶がございます。それはその土地、材料によって違うんですね。
要は材料が取れないといけないじゃないですか。輸入しないといけなくなる。輸入する文化はどうしてもなかなか伝承されないんですね。その土地にあったもので作られて、どんどん変身していくわけであります。ちょっと南に行くとインドのシタールとかタンブラーとかビーナという楽器がございますが、これはかぼちゃとかをくり抜いて、絹だけでなく、今は大体スチールになっていますが、様々な毛を弦に使てどんどん発達していきました。
実際、糸がないですね。そんなに長い糸が縒れない。絹は高価ですし、ウールも高価です。長く糸を縒るってことはどんなに大変だったか。丈夫な、弾いても切れない丈夫な弦を作るていう文化はどれだけ大変だったか。糸を紡いでいくという技術はなかなか大変な技術ですので、割と楽器本体の伝承よりも弦の伝承を研究した方が、もしかすると、もっとシルクロードを一歩踏み入れて研究できるのではないかと。
正倉院の御物は、どこ産の糸であるか、どこの絹の素材なのか、素材の産地はどこなのかと研究してくださています。まだ発表されていませんが、もしかすると大きく歴史が変わるような事実が起きるかもしれません。
シルクロードでの言葉と歌
私たちが想像するのと、本当に考えられないほどの距離と隔たりとその思いと複雑な環境と光と風と音。そこら辺がこのシルクロードを語る上でとてもとても大事な一つのキーポイントとなる気がしております。
もう一つ、歌は歌う人のキーから始ま て、弦の調弦が決まっていくとなりますが、なにが音楽の方向性を決めていったというと、言語、言葉なんです。
民謡、各地に残る民謡は皆さんの方言が全て作ってるんです。どんな言葉で喋っていたのか、それによって、歌の音階、歌の音階、歌の方向性が変わっていくのです。ですので、どういう発音で読んでいたのかと勉強させて頂くと、きっと、当時の歌、当時の音に繋がるのではないかと、儚い希望ではありますが、勉強させて頂いているのです。またその言葉で歌が歌えたら素敵かなと考えております。

平安京の守護と国の安泰を願って、都の南に創建された古い神社で、方除けの神として信仰を集めている。雅やかな「曲水の宴」が催される神苑は「源氏物語花の庭」と呼ばれ、春はしだれ梅と椿、秋は紅葉に彩られた美しい風景が楽しめる。

登壇者プロフィール
城南宮宮司・・・
琵琶奏者、NHK大河ドラマ芸能考証・指導。
薩摩琵琶を鶴田錦史に師事。祖父の名跡を世襲。文部大臣賞、 NHK会長賞等受賞。文化庁、国立劇場、NHKなど国内外で活躍中。また、日本文化芸能の普及の一環としてNHK大河ドラマ、スペシャルドラマをはじめ数多くの番組の芸能考証・指導を十年以上務め、NHKラジオのレギュラーも務める。
