翁・シルクロードプロジェクト

令和3年(2021年)4月 京都・東寺(教王護国寺)
「OKINA シルクロードはじまり~西から東へ楽を奏でる~」より主催者・武智美保談

『翁・シルクロード』は私がチューリッヒに留学していた、1980年7月16日ベネツアの救世主の祭り(※)に出かけ、その祭りに祇園祭を重ねた時に始まりました。シルクロードの往来が色々なモノ・文化、そして禍をも運び続けていたのだと。そしてそのロマンに心が踊りました。

※“FESTA DEL REDENTORE” 中世にヨーロッパで猛威をふるったペストの終焉を守護神である救世主キリストに感謝した祭り

小学校一年生の時に観た衝撃の映画「十戒」、イスラエル・エルサレムが子供の頃行きたかた海外、山鉾町役行者山で生まれ育ち祇園祭に血が騒ぐ。

1984年ローマのヴィッラ・アダで見た感激の薪能。

昨年(2020年)は、私がローマで起業し「ミホプロジ クト」と名乗り三十五周年の年でした。

そのはじめは地中海をテーマに活動を重ねていた演劇集団との出会い、1985年の筑波EXPOイタリアンナショナルデーのプロデース、そしてそれがイタリアミラノの映像作家集団「スタジオ・アッズーロ」との出会いに繋がり、エージェントとなりました。同時に狂言師の茂山あきらさんと国際プロジェクトを立ち上げ、京都から狂言単独ヨーロッパ公演ツアーを企画し実現致しました。

この長い月日の中、色々なことにチレンジしてきましたが今まだ続けて繋がているのがはじまりの「スタジオ・アッズーロ」と「能楽」でした。

1984年はじめてのローマ、夏の演劇祭のプログラムに薪能を見つけ、出かけました。今日翁を舞って頂く金剛龍謹若宗家のお祖父様金剛巌師の羽衣でした。素晴らしかた。イタリア人はスタンディングオーペーション、幻想的なエンターテイメントでした。その時、理由なく、私の最後の仕事は能楽をバチカンに奉納をすることだと心に誓いました。

その想いを忘れずに精進してきましたが三年前にその事が現実になてしまいました。私の仕事は、もうこれが最後?公演としては無事に終えることが出来ましたが、その時、これが新たな始まりであるという事に気づきました。

西と東は繋がっている。地中海とシルクロドが一気に繋がりました。文化は振り子のように往来し今日まで成熟してきたのです。そして不思議な「翁」の事。「スタジオ・アッズーロ」がライフワークとして探求を続けている「地中海を巡る想い」、私達は東からアッズーロは西から、どこかでまた出会い新たな企画も生まれる予定です。タクラマカン砂漠で琵琶の演奏と天女の舞、シルクロードを巡る楽団も作りたいと思ています。

長年芸能・芸術に関わってきました。芸能・芸術は祈りです。平和につながらなければなりません。世界は一つ、文化のつながりが、世界平和に繋がると信じています。シルクロードから地中海へ向けて長い旅がこれから始まります。

『過去を知り現在を認識しなければならない。知れば自ら為すべきと、べからざるを知る。天井の月を見ると共に却下の大地を踏見しめてゆくことが大切である。』

これは祖父の親友であり私が最も尊敬する大徳寺真珠庵 前住職故山田宗敏和尚様のお言葉です。
これからのはじまりをご一緒して頂き本当にありがとうございました。

令和三年四月 武智美保拝